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肉屋のおじさんから学ぶデザイナーの生産性

個人的な経験で恐縮ですが、 以前、この職につく前は、 某大手スーパーの精肉売り場で働いていました。 紆余曲折はありましたが、 そこで働くことで生産性について多くの実りあることを学ぶことができました。

肉屋の業務

肉屋の業務はシンプルに言えば、 売り場に足りない商品を作って補充する業務と在庫にない肉を発注する業務です。 当然、肉体的に中心になる業務は 厨房で肉を切ってパッケージングして売り場に補充する業務になります。

残業する社員は1人もいなかった

個人的に働いていた10年前当時から多くのスーパーは24時間営業でした。 でも、社員のおじさんたちはいつもきっちり定時には帰っていました。 次に社員のおじさんが出勤するのは朝6時です。 その間も商品は時を追うごとにどんどん売れていきます。 なぜ定時で帰れるのか?

退勤前に次の日の朝までにどれだけ売れるかを予測して売り場に商品を補充していた

シンプルにこれに尽きます。 精度の高い予測をすることで、労働時間を減らしていたのです。 しかも、この予測が完璧に当たる。

商品を作るタスクと発注するタスクを明確に分けていた

前述の通り、肉屋の業務には、 売り場の足りない商品を作って補充する業務と在庫にない肉を発注する業務の二種類あります。 前者はある意味ルーティンワークで、後者はクリエイティブワークです。 肉屋のおじさんたちはよくこう言っていました。

「できるだけ早く肉を切る仕事を終わらせて、発注する時間を作る」

この言葉からわかることは、 肉を切って売り場を補充するというルーティンワークと 発注するというクリエイティブワークを明確に時間として分けていたんですね。 前者と後者では使う脳が全く違うからです。 肉を切りながら発注を考えるなんてことは 脳の働き上、効率が悪いのです。

予測することタスクを明確に分けることの大切さ

以上をまとめると、 肉屋のおじさんたちの仕事に対するスタンスは 「予測」と「明確なタスクの分類」という概念によって成り立っていることがわかります。

先を予測すること

ビジュアルデザイナー/オペレーターの仕事に置き換えると、 「このプロジェクトはこの先、こういう流れで進むだろう」ということを予測して、 予めバックグラウンドで作業を進めておく、とか、 そういうことで効率性を高めることができるはずです。

明確なタスクの分類

ビジュアルデザイナー/オペレーターにも直接デザインに関係ない事務的なタスクはあります。 それをデザインタスクと混同してしまうと効率性が下がってしまうことがあります。 肉屋のおじさんのように、 ルーティンワーク的なタスクとクリエイティブワークを明確に時間で分類することで 効率性が上がるかもしれません。

最後に

今でこそ、朝活や労働時間削減、生産性的なバズワードが社会を賑わせていますが、 肉屋のおじさんたちは個人的に認識してるだけでも、 少なくとも昭和40年代からこのようなワークスタイルを続けていたんです。 最近の朝活なんてむしろ今更感が否めない。 デザイナーはデザイナーという変なブランドに惑わされず、 デザイナーに限らず幅広い領域から多くを学び、 自身の生産性向上に努めて頂きたいと思います。

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