コンプレックスが全くない人もごく稀にはいますが、 多くの人は何らかの形でコンプレックス持って 日々を過ごしているのではないでしょうか。 あくまで個人的な考えですが、 コンプレックスは克服するとかしないとかというものではなく、 自分のスタイルとして死ぬまで付き合っていくものだと思います。
コンプレックスに苦しむ人は、 自分を他人の基準で考える傾向が強いのではないでしょうか。 例えば、「私は鼻が低い」というコンプレックスは 「他人と比べて私は鼻が低い」という意味です。 たぶんですが、ほとんどのコンプレックスは、 このような「他人との比較」で生まれるものではないでしょうか。 まずは「他人の基準で自分を考えない」。 これが前提になります。
例えば、私には吃音症状があります。 吃音症状では、自分が言いたい言葉があるのに、 言葉に詰まり言えない、というようなことが頻繁に起こります。 で、結果的にどうするかというと、 自分が言いたいけど言えない言葉と同じ意味の言いやすい言葉を探すのです。 そうすると何が生まれるかというと、言葉の表現パターンが増えるのです。 吃音でない人と比較すると表現力が発達する。 これは吃音というコンプレックスがあるがゆえに生まれた、新しい価値であり、強みだと思っています。
逆に言うと、コンプレックスがないと 他人との差別化が難しいということになります。 他人と明確に違う部分をコンプレックス以外で見つけることは通常では難しいからです。 私が「吃音」でなかったら、「同じ意味の別の言葉を探す」ということをしなかった可能性が高い。 私は「吃音」というコンプレックスがあったからこそ、 容易に「他人と明確に違う部分」を見つけることができたのです。 コンプレックスを差別化する起点にする方が効率的なわけです。
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