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デジタルとアナログの境界線を考える

Webをはじめとするデジタル表現と、手描きの絵などのアナログ表現との違い、埋められない境界線とは何かを少し考えてみました。表現という大きな括りでは同じですが、客観的に見たら、当然ながら違いがありますよね。

物質性

まず考えられるのは物質性、物体感でしょう。 デジタルは単なるデータ、情報に過ぎないので、 どんなにグラフィカルに立体的に描画しても、それは単なる物質性のないデータであるに過ぎない。 これは誰もが感じる、デジタルの決定的な特徴だと思います。

デジタルにはそれ固有のスケールや重さ、質感などがないので、 見る側があまり感情移入しにくいという特性があると思います。 例えば、デジタルで打った手紙と手書きの手紙のどちらが感情移入しやすいかを考えられば一目瞭然だと思います。 手書きの手紙には、スケールや重さ、質感などがあるんですね。

ゆらぎ

デジタルには全くと言っていいほど「ゆらぎ」が起こらないのも大きな特徴だと思います。 例えば、紙に木炭で絵を描くと必ずゆらぎが出る。 木炭紙をこすると木炭がどのような形になるのかを隅から隅まで正確に制御することはできない。 木炭紙と木炭が接触して、木炭紙の上に木炭の粉がくっつくという物理現象が起こっているからでしょう。 人間には制御できない領域が存在するわけです。 Photoshopで手描き風の絵を描けたとしても、 それは意図的にゆらぎ風な現象を起こしているだけで、 厳密には人間には制御できない領域が存在するわけではない。 完璧に描画されたキレイなデジタルに違和感を感じ、 ゆらぎだらけの手描きの絵に心を動かされるのは、このゆらぎが関係していると思います。

まとめると、 物質性とゆらぎが、デジタルとアナログの越えられない境界線だと思います。 逆に言うと、この物質性とゆらぎの問題をなんとかすれば、 デジタルとアナログの境界線を行ったり来たりできるのだと思います。

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