人が雨に濡れないようにするためのツールは 傘やレインコートがポピュラーだと思いますが、 私の記憶の中では、少なくともこの2つ以外の画期的なツールが 一躍スターダムにのし上がったことはありません。
さらに言えば 「傘=頭上に屋根のようなものを作り、雨に濡れないようにする」、 「レインコート=体を雨水が染み込まない素材で覆い、体が濡れないようにする」という UX自体が特に進化したことはありません。 時代とともに進化しているように見えても 結局、傘は傘であり、レインコートはレインコートなのです。
考えてみると、 「傘=頭上に屋根のようなものを作り、雨に濡れないようにする」は 「家」と同じ方法論ですね。 大きな屋根の下で暮らすことで、 人は雨をしのぐことができる。 おそらく傘は「家」のモバイル版という考え方なのでしょう。
レインコートも同様に「服」からインスパイアされてますね。 通常版の服は「暖かさや涼しさ」、「肌触りのよさ」などに プライオリティを置いているので、雨水を通しやすい。 そこで「レインコート」という拡張機能を追加しているというイメージでしょう。
そう考えてみると、 「家」や「服」も 「屋根や壁で囲んで内部空間を作ることで、雨風をしのぐ」、 「体を柔らかい素材で覆うことで、寒さをしのぐ」 という本質的なUXは何も進化していないと言えるのかもしれません。
それはなぜなのでしょう。 人間の根源的な欲求だからでしょうか。 それとも革新的な発想が浮かばないからでしょうか。
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