ちょっと面白いことに気がつきました。 いつも、首都圏某駅で電車の乗り換えをしているのですが、 (前から逆流してくる人の流れがないという条件下で) 平日のラッシュアワーでは人が多いながらも、 先を急ごうと思えば人の間をすり抜けて前へ進むことが比較的簡単にできるのですが、 休日だと、前の人が邪魔になって、なかなか前に進めません。 ラッシュアワーの方が圧倒的に人の数が多いにもかかわらずです。
自分なりに分析してみました。 シンプルに言うと、 ラッシュアワーとそれ以外の時間帯では、 歩いている人の「目的」に違いがあることが大きな要因なのではないかと。
ラッシュアワーでは基本的にそこにいる人の目的が通勤ないし通学なので その駅が乗換駅ならば、 そこにいる人のほとんどが「乗り換えをすること」で一致している。 なので、歩く方向も基本的には同じ。 一人一人がバラバラの方向を歩く、ということがないのです。
対して、ラッシュアワー以外の時間帯は 目的が人それぞれ。 急いで乗り換えて目的地に行こうとしている人もいれば、 その場に立ち止まって待ち合わせをしようとしている人もいる。 当然、歩く方向も様々なので、 人の間をすり抜けて前へ進もうとすると人が邪魔になることが増えるわけです。
心理的な側面です。 ラッシュアワーでは歩くスピードに多少の違いはあれど、 基本的にはみんなが同じように急いでいる。 「急いでいる」という心理では一致しているので、 誰かが周囲を上回るスピードで歩こうとしても、ある一定の共感ができるわけです。 だからどんなに人が多くても 人の間をすり抜けて進みやすい。
対して、ラッシュアワー以外の時間帯は、 急いでいる人もいれば、急いでいない人もいる。 心理面での共感が少ないのです。
この「ラッシュアワー」と「ラッシュアワー以外の時間帯」という二つの現象は、 UX/UIの観点から見ても非常に興味深いものです。 「目的と心理面での共感(ラッシュアワー)」が生まれれば、 全体を驚くほどスムーズに制御することができるということです。 タスクが明確化されたサービスやアプリでは「ラッシュアワー的UX」が有効かもしれませんし、 より幅広いユーザーの意思を尊重するサービスやアプリなら 「ラッシュアワー以外の時間帯的UX」が有効なのかもしれません。
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