よく言われる話かもしれませんが、 マウスは人類史上最高のデザインの一つですよね。 マウス(マウスを握っている手)とモニターは物理的に距離が離れているのに まるで自分の手で操作しているかのように 細かい部分まできめ細かく操作できる。 さらにすごいのは、小さい子供から高齢者まで ほとんど戸惑うことなく、手にした瞬間から使えること。
しかも、マウス操作はあまりに自然で 当たり前のものであるために それが「デザインされたもの」であることに誰も気づかない。
この「あまりに当たり前すぎてデザインされたものであることに誰も気づかない」という点が 個人的にはすごいことだなと思っています。 この世のほとんどのデザイナーがデザインしたものは 少なからず「デザインしてます感」が出てしまうじゃないですか。 そして、この世のほとんどのデザイナーは そんな「デザインしてます感」が出ることを望んでいるし、 実際に意図的にそうしている。 それがデザイナーの自己顕示欲というものなのかもしれません。
マウス操作には、 そういったデザイナーの自己顕示欲が感じられません。 YOLXとして目指したいデザインは そういった誰も「デザインしてます感」を感じ取らないけど、 ユーザーの手と意思に馴染むインターフェースデザインです。
ちなみに、 illustratorやPowerPointにあるオブジェクトをマウスで自由に操作できる機能も 素晴らしいデザインだと思います。 マウスでまるで自分の手で操作しているかのような感覚で、 オブジェクトを移動させたり、 回転させたり、拡縮させたりすることができる。 一見当たり前のことに思えますが、全然当たり前のことではないはずです。
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