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乗り越し精算ができなかった、おばあちゃん

先日、鉄道の駅内で乗り越し精算の操作がわからず、 困っている老婦人に出会いました。 結果的に、手取り足取り教えてあげたので、 何の問題もなく処理できたのですが、 この老婦人はなぜ操作に困ってしまったのか、 少し考えてみました。

精算するには精算機を使う必要があることは理解していた。

この老婦人は精算機の前にいて、 精算機の前で操作に悩んでいました。 つまり、乗り越し精算するには精算機で操作する必要があること自体は 予め理解していたことになります。 精算機への誘導自体はうまくいっていたことになります。

老婦人はまず、「切符をどこに入れるか」を質問してきた。

精算するには手持ちの切符を何らかの方法で機械に入れる必要がある、 ということは理解していたということになります。 問題なのはそこから。 切符をどこに入れるのかがわからなかったわけです。

精算機の切符挿入口は「切符を入れられる感」が感じられにくい。

ご存知の通り、最近の精算機の挿入口は、 Suicaなどのカードから切符まで全対応なので、横幅が広い。 切符しか使ったことがなく、カードのことなど想像したことがないユーザーからすると、 「なぜ、こんなに幅広いのか」と疑問に思ってしまう。 自分が持っている切符に合わせた横幅ではないので、戸惑ってしまうのだと思います。

精算機の切符挿入口は「札挿入口」にも似ていて紛らわしい。

また、個人的にも一瞬戸惑うことがあるのですが、 精算機の切符挿入口と札挿入口の横幅が似ていて、どっちがどっちなのかわからなくなることがあります。 同じような挿入口が複数あると、 ユーザーによっては操作に考え込んでしまうかもしれません。

あらゆるカードに対応、精算もチャージも可能という多機能性が操作を複雑化しているかも。

例えば、飲料の自動販売機で「操作がわからない」という声はあまり聞いたことがありません。 飲料の自動販売機は、お金を入れて、欲しい飲料のボタンを押すだけ、というシンプルなタスクだからかもしれません。 そう考えると、あらゆるカードに対応、精算もチャージも可能という多機能性が ユーザーの認知負荷や行動負荷を増大させているのかもしれません。

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