Webのインターフェースは客観的に考えると、 ちょっとおかしな所があります。 というのも、Webサイトは ブラウザというアプリのインターフェースの中に、 ブラウザというアプリから見ると「コンテンツ表示領域」の中に、 コンテンツとして表示され、 かつその中に、さらにWebのインターフェースがあるという、 インターフェースの中にさらにインターフェースがあるという、 二重の状態になっているからです。
Webサイト単体で考えると、ここはナビゲーションで、ここはコンテンツ表示領域、という風に考えることができますが、 ブラウザというアプリ全体で考えると、Webサイト自体が単なるコンテンツに過ぎないとも言える。 Webサイトという木だけを見ると、ここは葉っぱでここは枝という風に見ることができますが、 ブラウザというアプリ全体で見たら、Webサイトは単なる森を構成する木に過ぎないんですね。
Webサイトがブラウザという森を構成する木に過ぎないとしたら、 Webサイトをデザインする上で、ブラウザという森に対してどういう木にするべきかという視点も必要なのかもしれません。 例えば、建築家が敷地や周囲の環境に応じたデザインをするように。 ブラウザ=敷地や周囲の環境、という発想です。 ブラウザだけでなく、デバイスも敷地や周囲の環境として捉える要素としてはあり得ますね。
Webデザインは基本的には、 「周囲には何もない完全に独立した存在」としてデザインすることが多いように思えますが、 実際にはブラウザアプリやデバイスという「敷地」の中に建てられるものであり、 周囲の環境とは無関係ではいられないのかもしれません。 今後は、そういったサイトペシフィックなデザインアプローチも考えていきたいと思います。
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