家族の一人が新しい職場に転職したのですが、 人間関係に悩み、このまま続けていけるのか思い悩んでいます。 この手の人間関係の話はよく聞く話ですが、 人間関係によって本来持っているはずのポテンシャルを 発揮できないのは本末転倒の話です。
大小にかかわらず、職場における独特な人間関係は少なからず生まれてしまうようです。 その職場にしか通用しない独特の空気感というやつですね。 例えば、残業が多い職場なら定時後にみんなで夕食を買いに行く空気感とか。 あるいは、会社の愚痴を言い合う空気感とか。 個人的な経験上、この手の空気感は会社の仕組み上、不満はあるけど、致し方ない、受け入れるしかない という空気を社員同士で共有することによって生まれるような気がしますね。 会社という大きな力が働いていて抵抗するのが無理だから、どうせなら楽しもうという防衛本能。
既存の社員は今の空気感で全然問題ないのでいいのですが、 新しく外部から入った新入社員は戸惑います。 既存社員が会社に対してどういう不満があって、その結果どういう空気感が生まれたかを新入社員は全く知りませんからね。 新入社員が戸惑うのは当然です。 新入社員は自己防衛として、元々ある空気感に自分を合わせようと努力します。 そして葛藤します。
こうして「職場の空気感」は代々受け継がれていくのですが、 その空気感は果たして会社にとってプラスなのか?という問題は残ります。 なぜなら、職場の空気感は会社への不満から生まれることが多いからです。
もちろん職場の空気感は社員が自発的に作るのが理想ですが、 その空気感が会社が目指す方向性と噛み合っていない場合はちょっとややこしいです。 社員の空気感が足を引っ張ってしまうこともありますからね。 例えば、新しいことに挑戦しなければならない会社の実情があるのに、 現状維持を好ましく思う職場の空気感があると、会社と社風がミスマッチになってしまいます。 だから、ある程度、会社側が職場の空気感のデザインはすべきだと思います。 職場の空気感は会社への不満から生まれることが多いので、 不満が生まれる前に先行して手を打っておくことがベストだと思います。
ちなみに職場の独特な空気感が生まれるきっかけになる要素は、一般的には以下が挙げられるのではないかと思います。
組織構造(組織上誰が力を持っているか)、給料、労働時間、組織の緩み、ビジネスモデル、会社のポジショニング、社員同士の競争(個人別売上など)、会社のビジョン・将来性、社員の上昇志向の有無 etc
例えば、組織上力を持っている人が分散しておらず、ある特定の人に集中する組織構造の場合、 社員はある特定の人に注力すればいいことになるので、 ある特定の人に過剰に依存する独特の空気感が生まれやすくなると考えられます。
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