少なくとも日本では 「時間をかければいいものができる」という精神的な風潮があります。 納期ギリギリまで死に物狂いで考えたものが最高のものだと。 でも、本当にそうなのでしょうか。 自分なりに考えてみました。
まずは、「発想する方法」を数種類のモデルに分類してみました。 下記の3種類が代表的なものとして挙げられるのではないでしょうか。
①「神」が天から降りてくるまでひたすら待つ
このモデルが最も多いパターンではないでしょうか。 発想が生まれる前後に論理的な組み立てが全くない方法。
②過去のアイデアや既存のアイデアの断片を組み合わせて新しい発想を作る
このモデルは多くのイノベーターが取り入れていた方法ですね。
③何らかの公式(発想を生み出すためのプロセス)から発想を導き出す
例えば、はじめに「ターゲットユーザーのモデリングから始めて・・・」 というような厳格なプロセスに基いて最終的に発想という答えを導き出す方法。
次に、それぞれのモデルで発想を生み出すまでにどれくらい時間がかかるのかを ざっくり考えてみました。 もちろん具体的に◯◯時間という形で算出するのは無理ですが。
このモデルは発想が生まれる前後に論理的な組み立てが全くないため、 発想が生まれるまでの時間を想定することができません。 それどころか発想が生まれるかどうかするら保証ができない。 また、発想が生まれたとしても、論理的な裏づけがないため、 その発想がいいか悪いかを客観的に判断することができない。 このモデルが最も時間がかかるモデルだと考えられます。
このモデルは 「過去のアイデアや既存のアイデアの断片」という素材が元々あるため、 その分の時間を短縮できます。 発想する人は「過去のアイデアや既存のアイデアの断片という素材集め」と 「それをどう組み合わせるか」に集中できるわけです。 微妙なニュアンスは別として 「組み合わせ方」には一定の限界があるはずなので、 発想が生まれるまでの時間にはある一定の上限があるはずです。
このモデルは、 公式に値を当てはめることで半自動的に答えを導き出す方法なので、 ほとんど場合、当てはめる値を出す作業に集中できます。 発想する作業自体は半自動なので、 それ自体には時間はあまりかからないはずです。 このモデルの場合は、根本が論理的なので、 発想が生まれた時点で論理的な整合性が取れています。 いいか悪いかを客観的に判断する基準が元々備わっています。
あくまで個人的な分析ですが、 ①の「『神』が天から降りてくるまでひたすら待つ」発想方法が 最も時間がかかり、 かつクオリティの高い低いを判断する客観的な基準がないため、 クオリティを高めずらいことがわかります。 これでもって「クオリティと時間は比例しない」とは言い切れませんが、 必ずしもクオリティと時間には相関関係があるとは言えない、 とも考えられると思います。
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