フラットデザインの登場により、 Webデザインが何かのメタファである必要性はなくなりました。 純粋にユーザー体験をデザインすることに集中できる環境になったと 言えると思います。 とは言え 未だにWebデザインは「紙のちらしのメタファ」の呪縛から逃れきれていない ように感じます。
例えば、 Webデザイナーや制作者サイドから見た「クオリティの高いデザイン」は どうしてもグラフィックに寄り、 ユーザビリティや自己帰属感などのユーザー体験は ないがしろにされる傾向があるように思います。 デスクトップ向けサイトなのにハンバーガーメニューがあったりするのは それをよく表していると思います。 せっかくかっこよく作ったグラフィックを美しく見せたい、という欲求が そこにはあるのではないでしょうか。
もちろん、かっこいいグラフィックが刺さるユーザー層もいますが、 先進国を中心に少子高齢化が極端に進行する中で 必ずしもかっこいいグラフィックがこれらの層にマッチするとは限りません。 それ以上に、サイズ感などの基本的なことや 自己帰属感の高い直観的なインターフェースなど 優先すべきものが別にあるように思えます。
ここら辺は、 デザイナーなどの制作者サイドとユーザーとの間にある 手つかずの溝みたいなものなのかなと思っています。 デザイナーがいいと思うものとユーザーがいいと思うものにずれがある、的な。
アーカイブ