建築学校では、 「デザインには意匠と図案があって、建築は意匠の方で…」的な話を することが多いのではないかと思います。 それだけ建築は意匠という意識が高いということです。 あるいは図案的な要素が少なく、 シンプルに物事を考えやすいということです。
Webやアプリなどのデザインでは、 意匠の他に図案が絡んでくる。 UXやUIは意匠で、それを絵に起こす作業が図案ですね。
Webやアプリなどのデザインにおいて、 「意匠と図案、どちらにプライオリティを置くべきか」はとても悩ましい問題。 「いや、どちらも重視すべき」という考え方もあるでしょうが、 建築が幾多の歴史を経て、 最終的には意匠原理主義的な方向性へシフトした経緯を見ると、 意匠が影に隠れるようなコテコテの装飾デザインは モダニズムの歴史に反するような。
Webやアプリより歴史の長い、 建築や工業デザイン、インテリアデザインなどの意匠系デザインは 概ね、最終的には意匠原理主義的な方向性へ シフトしているのではないでしょうか。 インテリアは多少コテコテの装飾デザインを見かけますが、 コテコテの装飾のテレビや電子レンジなどはまず見かけません。 ポストモダン的なカウンターが起こっても、 結局は一過性で終わる。 あるいは消費されて終わる。
いずれにせよ、ページロードを犠牲にするほどの価値が 装飾にはあるのでしょうか、というお話。
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