昔からの伝統なのか、 UIやUXを重視する現代においても、 未だにPhotoshopで「デザイン」という名のデザインカンプを作り、 jpgでクライアントに提出するという工程が 一部残っているようです。
でも、「デザイン」をjpgで提出するという工程を廃止しても、 実際には何も困ることはないのです。 なぜなら、現代における「デザイン」は Photoshopによる見てくれのデザインではなく、 実際にデバイスで触ったときに どう感じるかの方がはるかに重要だからです。
なぜjpgで「デザイン」を提出するという工程を踏まなければならないのか。 それはおそらくクライアント側の意向というより開発者側の意向が強いのではないでしょうか。 昔のWeb制作は、 「デザイナー」と呼ばれるPhotoshopオペレーターがビジュアルをデザインし、 「コーダー」と呼ばれる担当者がHTMLコーディングして仕上げるという工程がありました。 だから、「デザイン」と「コーディング」を工程として明確に分ける必要がありました。 だから、工程として、一旦「デザイン」をjpgとしてクライアントに提出し、 Fixさせる必要があったのだと思います。
はじめに「デザイン」をfixさせ、 その後、仕上げとして「コーディング」するという生産システムには、 「操作感を検討する」という現代において最も重要なプロセスがありません。 この生産システムの場合、最終チェックも基本的に 「デザイン通りにコーディングされているか」程度しか確認されないので、 「ユーザーが快適に操作できるか」という最も重要なチェックが漏れてしまいます。
UXやUIが重視される現代において、 「デザイン」と「コーディング」を分ける工程は無意味かもしれません。 なぜなら、実際にデバイスで操作して快適かどうかは、 実際にデバイスで触ってみないとわからないからです。 Photoshopでどんなにクオリティの高いビジュアルを作っても 実際にデバイス上で触ってみないと実際の操作感はわかりません。 Photoshopによるビジュアルデザインに時間をかけるのはもはや無意味かもしれません。
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