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「オール」から垣間見える日本の時間意識

朝まで帰らず夜通し遊び続けることを 日本のスラングで「オール」と呼びます。 夜通し遊び続けること自体は 世界中どこでも行われているとは思いますが、 日本の「オール」には、日本人独特の時間意識、 より突っ込んだ言い方をすれば、 日本人の「残業意識」と共通項があるのではないかと考えました。

「オール」とは、お尻の時刻を決めないこと。

「オール」とはシンプルに言えば、「帰る時刻」を予め決めないということです。 例えば「夜11時には帰るから、それまでの時間を思いっきり楽しもう」ではなく、 予め「帰る時刻」を決めず、「体力が保つ限り遊び続けよう」という考え方です。 当たり前のことですが、お尻の時刻が決まっていないので、 必然的に遊ぶ時間が後ろ倒しになっていくんですね。

これはまるで日本人の長時間残業にそっくりです。 本来であれば「定時」というお尻の時刻があるのですが、 それが事実上形骸化されているため、 帰る時刻がどんどん後ろ倒しされていく。 日本人は遊びでも仕事でもオールをしているようなものです。

「帰る」と言い出しにくいから、ずるずると「オール」を繰り返す。

よく言われることではありますが、 日本人の人間関係には妙な「ムラ意識」があります。 遊び仲間とか職場の上司や仲間などのコミュニティ内では、 できるだけ皆が同じ行動をとることを求められる。

一見すると仲むつまじいコミュニティですが、欠点もあります。 それは「帰る」と言いづらいということです。 プライベートの何の障壁もないはずのコミュニティでさえ、 遊んでいる最中に時計をチラチラ見て時刻を気にすることは気がはばかれる。 失礼に当たると考えてしまうのです。 それによって、ずるずると「オール」してしまう、ということが起こってしまうわけです。

これも日本人の長時間残業にそっくりですね。 上司が、仲間が、まだ働いているから帰ると言い出しにくい。 その蓄積が長時間残業になっていく。

「変な人」と思われるのを異常に恐れる日本人。

これらの問題を解決する方法は実に簡単です。 批判を恐れず、自分の言いたいことを主張すればいいのです。 でも、それができない日本人独特の事情があると思われます。

日本人は自分が属するコミュニティの和を乱すことを異常に恐れます。 日本人のコミュニティは昔ながらの「ムラ社会」ですから、 下手に自己主張すれば「変わってる人」として村八分になるかもしれないと思うからです。

これほどまでに「和」を尊ぶ心は客観的に見て、本当に美しいか?

「和を尊ぶ心は日本人の美徳」という考え方もありますが、 今一度、客観的にそれが本当に美しい心なのかどうかを評価した方がいいのではないかと思います。 美しいどころか、むしろ人を縛りつけてないか?と。 SMが好きなら仕方ないですが。

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