どうしたらデザインの価値が今よりも上がるのか? 自分なりに少し考えてみた。
クライアントがイメージしたものをできるだけ忠実に形にすることをミッションにしてしまうと、 ただ単にクライアントに制作部門がないから仕方なしに発注する、というような消極的な構図になってしまうと思います。 そもそもイメージするという作業をクライアントに強いることになってしまいますし。 クライアントにイメージする作業を強いず、クライアントの作業を軽減し、 クライアントが思いもしなかった革新的な発想を提案することの積み重ねが、結果的にデザインの価値を上げるのだと思います。
「ここをこうデザインしたら、こういう結果が出る」など、 デザインと結果の相関関係、因果関係を一つ一つ証明して蓄積していかないと、そもそもデザインの存在価値はないと思います。 でないと、単なる「製造工場」になってしまう。 全てのデザインにはゴールがあり、そのゴールを達成するために存在しているのだと思います。 デザインを納品物として捉えてしまうと、単なる「製造工場」になる恐れがあるので、デザインをプロセスや結果として捉えるイメージです。
開発側にとっては目の前のクライアントが文字通りクライアントですが、 その目の前のクライアントの向こう側には、目の前のクライアントにとってのクライアントがいて、 目の前のクライアントは当然、その向こう側にいるクライアントのために何らかのプロダクトを作りたいと思っている。 だから、われわれが見るべきものは目の前のクライアントだけでなく、その向こう側にいるクライアントなのだと思うわけです。 一言で言えば、「ユーザー主語」とか「ユーザーファースト」という言葉になるのだと思います。 向こう側にいるクライアントである「ユーザー」を徹底的に満足させることが 結果的に目の前のクライアントを満足させ、デザインの価値を上げることになるのだと思うわけです。
アーカイブ