INSIGHTS / FROM BUILDING VEGA
VEGAの開発から考える、
AIの設計と運用。
AIが出した判断を、どこまで業務に任せられるか。VEGAの開発では、予測の検証だけでなく、実行の許可、通信断からの復旧、顧客ごとの情報管理を一つずつ設計してきました。その判断の理由と、確認すべき条件をまとめています。
開発からの知見を読むONE SYSTEM, MANY DISCIPLINES
- 01
研究
変化が波及する経路を調べる
- 02
判断
使った根拠と条件を記録する
- 03
実行
許可と上限を確認する
- 04
検証
予測と実際の結果を比べる
検証結果をもとに、仮説や設計を見直す
THE WORK BEHIND THE INSIGHTS
VEGAで開発してきたもの
戦略の研究に加え、判断時点で使えるデータの管理、評価・執行コア、顧客ごとの状態管理、Windows / Linuxの運用設計、日次レポートを扱っています。Claude CodeとCodexによる実装、検証、レビューの記録には、採用した設計だけでなく、うまくいかなかった方法や未解決の課題も残っています。記事では、その中から他の業務でも参考になる判断を取り上げました。
知見の背景となるVEGAを見る- Pythonの実装・研究等のファイル
- 773
- 評価、執行、データ処理、運用ツール
- Pythonのテストファイル
- 557
- 判断条件、復旧、分離、移行の検証
- 研究用Pythonスクリプト
- 140
- 上記773ファイルに含む研究領域
出典:自社開発リポジトリの主要製品領域を2026.10.02時点で集計。管理対象のPythonファイルを、ファイル名がtest_で始まるテストと、それ以外に区分しています。研究用スクリプトは後者の内数です。ファイル数は開発規模の目安であり、テスト件数や実運用成績を示すものではありません。
01 / 研究と判断
予測と判断を、後から検証できるようにする
経済の変化が企業の利益に届くまでの経路を追い、予測を事前に記録する。熟練者の判断をルールにする際も、例外や撤回する条件を聞き、別の事例で確かめます。
- 因果推論と未来検証
経済の変化を予測するAIで、仮説をどう検証するか
需要が増えたとき、誰の売上になり、どこに利益が残るのか。供給制約や二次・三次の受益を追い、予測が正しかったかを途中の事象と事前の記録で確かめます。
- 前提の監視と出口設計
判断した後も、その理由が続いているかを監視する
始めるときに、続ける理由がなくなる条件も決めておく。結果の悪化、判断の前提が崩れた状態、情報が足りない状態を区別し、見直しの手順を定めます。
- 判断と証拠
AIの判断を再現するには、「その時の根拠」を残す
後日同じURLを開いても、判断したときと内容が違うことがあります。公開時点、取得時点、使った内容と設定の版を記録し、当時の判断を確かめられるようにします。
- 暗黙知の構造化
熟練者の判断を、どうルールにするか
同じ指標でも、状況によって判断が変わる。その違いを具体的な事例から聞き取り、例外と撤回する条件を記録します。本人の言葉とAIの解釈を分け、別の事例で検証します。
02 / システムと運用
通信断、再起動、複数の顧客を想定した設計
外部サービスへの操作は、応答がなくても完了していることがあります。再送の判断、実行時の権限確認、顧客ごとの記録の分離など、正常に動くデモでは見えにくい問題を扱います。
- 移行と継続運用
大きなシステムを移すとき、守るのは既存の振る舞い
コードを書き換えた後も、既存の設定や途中の処理を引き継げるか。同じ入力で新旧の結果を比べ、配備先の確認と定期実行まで、移行の段階ごとに確かめます。
- 復旧と信頼性
タイムアウトの後、再送する前に確かめること
応答がなくても、相手側では処理が完了しているかもしれません。送り直してよいかを判断するために、送信前の記録と相手側の照会を使い、再起動後にも照合できるようにします。
- マルチユーザー設計
AIの共通基盤で、顧客ごとの状態をどう分けるか
同じAIを使う顧客でも、許可された操作や処理中の記録はそれぞれ異なります。設定、再試行、キャッシュ、日次レポートに他の顧客の情報が混ざらないかを確かめます。
03 / AI開発と検証
改善案の採用と、AI同士のレビュー
Claude CodeとCodexを使う開発では、実装を進める速さと、変更を確かめる手間の両方を考える必要がありました。評価条件を先に決める方法と、修正につながるレビューの進め方をまとめています。
- AI開発と独立レビュー
AI同士のレビューを、根拠のある改善につなげる
Claude CodeとCodexに実装とレビューを分担させるとき、何を確かめるか。再現できる失敗、対象のコミット、修正後の確認をそろえ、指摘を採用する基準を定めます。
- 検証と改善
自己改善するAIの変更を、いつ採用するか
試した変更の中から、たまたま良かった結果だけを選んでいないか。評価条件を先に決め、探索に使っていない事例と、費用や運用の負担も含めて採用を判断します。
PRACTICAL FOUNDATIONS
AIを業務に入れる前に決めること
誰が何を承認するか、文章の根拠をどう確かめるか、情報が足りないときにどう止めるか。導入時に確認する項目を、三つの記事にまとめています。
- AIガバナンス
AI業務に人間承認ゲートが必要な理由
操作ごとに人が承認するか、条件を先に承認して自動処理するか。承認する人、対象の版、有効期限、実行前の確認を決め、許可のない操作を止める設計を紹介します。
更新 読む - AIワークフロー設計
fail-closedなAIワークフロー設計
出典が取れない、検証が終わらない、外部の処理結果が分からない。その状態で次へ進ませないために、停止条件、再試行の上限、再開に必要な確認を定めます。
更新 読む
掲載内容について
記事は、自社開発の課題と設計上の判断をもとにしています。説明用の例と確認済みの事実を分け、未確認の顧客実績や効果数値は掲載しません。設計を紹介した機能が、すべて提供済み、あるいは実運用での確認を終えているわけではありません。
※投資助言・運用を行うものではありません
CONTACT YOLX
AIを使う業務の設計をご相談ください
自社の業務では何をAIに任せ、どこで人が判断するか。必要なデータ、実行条件、停止後の対応を整理し、実装と検証を進めます。
